水泳における、
中級ー反復練習段階 は、
波などの影響を受けない25m室内プールでのクロールの反復練習に相当 します。安全に守られたプールで反復練習をしておくことで、波や潮、天候などの様々な要素が複雑に絡み合ってくる海での実践段階に備えます。
英語における、反復練習は各技能ごとに以下のようになります。
◆リスニング ・・・CD教材で、モデル音声を繰り返し聞き、リスニング能力を磨く。また、スラングや音の脱落音や連結音などがない(波/潮/天候などの影響が排除してある)モデル音声を、聞くだけで理解できるようになったら、繰り返しシャドーイングを行う(
※スクリプトを見ずに、音声につづいて影のように発話していく学習方法 )。
◆スピーキング ・・・チャンク会話法(パターンプラクティス)を繰り返し練習する。(
※スピーキングセクション を参照のこと。 ) 簡単に言えば、自分が得意とする英語の「言い回し」表現の量を増やし、その言い回しをとっさに柔軟に使えるようにする反復練習のこと。例えば、「would like to ~」(〜したいです) という言い回し(チャンク=語句のかたまり)が得意だった場合、〜の部分の単語を変えて、実際に自分で発話しながら反復練習すること。そうすることで、より柔軟な英会話が可能となる。
◆リーディング ・・・8割ほど理解できるテキスト教材を精読し、内容を把握した後で、音読を繰り返すことで、自動的に英語を前から理解し、英語を英語のまま理解するリーディング能力を磨く。(
※ちなみに、英単語の暗記も、この反復学習の一番身近な典型例です。 )
◆ライティング ・・・スピーキングと同様、書き言葉でパターンプラクティス(
※チャンク英作文/英借文 )を繰り返し練習する。自分の得意とする書き言葉における言い回しの量と柔軟性を磨く。
水泳における、
上級ー実践段階 は、
波/潮/風/天候などの影響を受ける、厳しい環境下の海で遠泳することに相当 します。上級ー実践段階は、初級で身につけた基礎体力、中級の反復練習で身につけたスキルが全て試され、さらに磨かれる段階です。
英語における、上級ー実践段階は各技能ごとに以下のようになります。
◆リスニング ・・・スラング/文化的背景知識や音の脱落音/連結音(
※波/潮/風/天候など全ての影響をコントロールする必要がある状況に相当 )などの要素が複雑に絡み合い、手加減なしのスピードで話しが飛び交う英語での映画/議論/TEDなどを聞き取る段階。
◆スピーキング ・・・手加減なしのネイティブスピーカーとの英会話。海外旅行や、留学や転勤などでの海外生活、また、会議での議論/プレゼンテーションを英語で行う段階。
◆リーディング ・・・英字新聞、英書、論文の長文読解など、精読ではなく、英語のまま、情報を瞬時に拾い上げていく多読の段階。
◆ライティング ・・・英文添削サービスを活用した論文作成と添削、英語での論文形式の試験、大学や研究におけるレポート作成、請求書などのビジネスシーンにおける公式な文書作成の段階(
※文書内容の質の高さに加えて、さらに迅速さと正確さを同時に求められる段階 )。
以上が、水泳のアナロジーを活用して、大まかに、ピラミッドを捉えた説明でした。
ここまでの内容をおおよそ理解していれば、「泳ぎのフォームを整えたり、基礎練がしたいのに、いきなり海にとびこむ!」というような正しくない手法をとらなくなります。つまり、
「会話という後期の手法(海に飛び込み)を使って、発音マスター(フォーム整えたり基礎練習)する」という戦略 は、
NG ということが分かるようになります。
※そこを理解した上で、あえて、荒療治という意図で、最初から海に飛び込む!というのはありかもしれませんが。
※《段階分けの具体的な効果は?》 も合わせて読まれますと、さらに理解が深まります。
これまでの流れを、こちらの動画で説明しています。
VIDEO
それでは以下で、
<<各レベル(Lv1〜5)ごとに、次のレベルに上達していくために必要な学習手法と、それに適した教材>> について、より具体的に詳述していきます。
注意!!
元々、このピラミッド(TOEFL - iBTのスコアによる英語能力の5段階)は、
CLAメソッドの最大の特徴である【段階分け】 をより簡単に説明し、視覚直観的に理解するために創られたイメージなので、以下の各論を全て詳細まで理解するためには、CLAメソッドの4〜7章を読み解く必要があります。
ですので、CLAメソッドの触り部分だけをご紹介させて頂きます。詳細は
CLAメソッドの4章以降 に任せて、「ふ〜ん、まぁそういう感じで段階分けがされてるわけね〜」という程度の理解で、簡単に全体像をつかんで頂ければ幸いです。
※また、もう少し内容に入り込みたい方は、各技能ごとに、コチラ 《リスニング》 / 《スピーキング》 / 《リーディング》 / 《ライティング》 をご参照ください。
以下の各論で使われる星マークの説明:
☆・・・CLAメソッド内における
段階と学習手法 の提示
★・・・各段階における学習手法を実際に実行するための、
具体的な教材 の提案