段階1
単音レベル(abc)での慣れ
段階2
単語レベル(音・意味・文字+語彙)での慣れ
段階3
文レベル(文法・表現)での慣れ
段階4
文章&会話レベル(音韻・音変化・スピード)での慣れ
※ちなみに、聴覚音声学の視点から言えば、「リスニングの慣れ」=「音韻情報の蓄積」。
1つ目は、単音への慣れです。
日本語の「あいうえお」にあたる「ABC」の音自体に慣れるレベルです。 往々にして、日本の英語教育では、この”単音への慣れ”が抜けたまま、単語を覚えてしまっている傾向があります。コチラ
「Why?」 でも言及しましたが、自分自身もNYの留学後にも関わらず、CとGの違いをうまく言えずに愕然としました。それほど甘く見られがち、見落とされがちな初歩の慣れです。考えてみれば当然で、「ABC」という
日本語における「あいうえお」もうまく聞き取りや発音ができないのに、TVやCD教材を聞き取ったり、英会話ができるはずないですよね。
単音に慣れたら、【段階2:単語単位】と【段階3:文単位】の音にも慣れる
単音をマスターした後は、単語、文単位の英語の音声に慣れるためのリスニング学習を進めてください。(まだ「4つの慣れ」について理解されてない方は、コチラ
「どうすれば英語が”聴ける”ようになるのか?」 をご参照ください!)
【おすすめの教材】
※DVD付きなので、音だけでなく、英語の口や舌の使い方まで体得することができます。
このテキスト1冊だけで、【単音単位→単語単位→文単位】での学習を行うことができます。
※また、ボイスレコーダーやスマホのボイスメモ機能などを使い、自分の発音を録音して客観的に確認し、モデル音声に近づけるよう繰り返し発音を練習し、より正確な発音を身につけてください。 ※iPhoneをお持ちの方は、Siriを英語設定(国も選択可能)にして、単語や文を英語で発音すると、「Siriがあなたの英語を正確に認識できるかどうか」で、自分の発音の正しさをチェックすることができます。Androidの場合は、OK Googleで発音をチェックしてください。
教材のゴール(卒業条件) = 「以下の3文を、Siriが正しく認識できるようになること。」
教材を通して獲得する能力 = 「単音マスター、単語・文単位の音に慣れる(音韻情報の蓄積)。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短2週間〜1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、3ヶ月。」
1。She sells seashells by the seashore.
2。The plural form of parallel is parallels.
3。Becky and Samantha have a really big wooden cup of vanilla ice cream.
VIDEO
★「リスニングの基盤作りと設問慣れ」について
まず、聴いて8割理解できる(簡単すぎず難しすぎない)レベルのCD(モデル音声)とそのスクリプトを用意します。
※できれば避けたいコトですが、受験までに時間が全くない方は、いきなり、センター試験の過去問/受験校の過去問を教材として採用し、過去問に慣れながらリスニング能力と得点力を同時に上げていきます。
1、2回ほどレベルチェックをかねてリスニングした後は、スクリプトを精読し、意味をあらかじめ理解します。
※ここは、英語の音/リズム/抑揚などの音韻情報を正確に収集するための段階ですので、「聴いてすぐ理解する」という多聴に近い高度な練習は、今は行いません。ですので、意味をまず先に全て理解してから、次のステップに進んでください。
意味が理解できたら、次は、シャドーイングでのリスニング強化を行います。
※「シャドーイング」とは、、、CDのモデル音声に続いて、影のようにそっくりそのまま真似して発音していく手法です。
※このシャドーイングにより、英語音声知覚の自動化と、脳内のワーキングメモリーにおけるループの効率化という現象が起こります。つまり、この2つに磨きをかけることで《リスニングの基盤が形成されます》。この2つに関する、さらなる詳細は、無料版の第4章 をご参照ください。
【おすすめの教材】
※このKHシステム「究極の英語学習法」は、上記の一連の学習の流れを全て網羅しており、学習者が迷わないように、さらに詳細な手順まで示してある良書です。この1冊を徹底的に実践すれば、リスニングの基盤は盤石になるはずです。
教材のゴール(卒業条件) = 「付属CDのモデル音声を全てシャドーイングできるようになり、かつ、テキストの音読を録音し、その発話音声が、ネイティブ(モデル音声)に近いレベルに到達していること。」
※このレベルに到達すれば、センター試験のリスニングは問題なく聞き取れるようになっているはずです。
教材を通して獲得する能力 = 「リスニングの基盤(音声知覚の自動化、ループの効率化)。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短2週間〜1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、3ヶ月。」
設問慣れ
リスニングの基盤ができたら、センター試験/受験校の過去問を用意し、設問を何度も解くことで、志望大学の問題傾向と特徴をつかみ、解答スピードと解答精度を上げていきます。また、その大学がよく採用するテーマに関しての単語も、集中的に暗記して対策しておきます。
【おすすめの教材】
※有名な赤本です。センター試験以外にも、受験校の過去問を用意して、対策を進めてください。ちなみに駿台が出している青本もあります。
※スピーキングの受験がある場合は、コチラ「TOEFLのスピーキングの学習手順」 を参照し、TOEFLの教材の替わりに、受験校の過去問を利用して学習を進めてください。
★「基礎単語と構文の習熟」について
大学受験において、2500~3000単語は基礎語彙ですので、丸暗記は必要不可欠です。
※できれば、この丸暗記の前に、リスニングの「単音と単語単位の発音をマスター」しておくと、リスニング/スピーキングでも活用できる形で暗記することができます。
【おすすめの教材】
※この「速読英単語」シリーズは、文脈/文章の中で構文を含めた英単語を覚えられるので、忘れにくいですし、多義語を文脈で定義する能力も同時に身につけることができます。この能力は、多義語の選択問題で主に力を発揮するので、暗記するついでに、自然と身に付けておきましょう。
※もちろん、基礎語彙(構文)が習得できるのであれば、すでに持っている単語集で代用しても構いません。
※基礎文法/基礎構文がまだ身に付いていない方は、「速読英単語《入門編》」 や 「海外旅行」のReadingセクション を参考に、まずは基礎文法(構文)を習得してください。
※逆に、「速読英単語《必修編》」が簡単に感じる方は、「速読英単語《上級編》」 に進んでください。
1冊目(必修編):
教材のゴール(卒業条件) = 「全文章を精読することで、文法力・構文力を磨き、文脈の中で、必修1900単語を丸暗記できていること。」
教材を通して獲得する能力 = 「基礎単語と構文の習熟」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、半年。」
※毎日1時間学習であれば、3ヶ月。
2冊目(上級編):
教材のゴール(卒業条件) = 「全文章を精読することで、文法力・構文力を磨き、文脈の中で、上級900単語を丸暗記できていること。」
教材を通して獲得する能力 = 「基礎単語と構文の習熟」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、半年。」
※毎日1時間学習であれば、3ヶ月。
★「文字と音のつながりの強化」について
リーディングは、文字を脳内で音声化(※これをディスコーディングと言う)して、その音声(※これを内語と言う)として脳内で一時的に保持して反復し、その間に、理解処理を行います。これが
「読んで理解する」仕組み です。リーディングの学習を通して、この処理の精度を上げることで、より正確に、より高速に、かつ、自動的に理解できるようになっていきます。
※その自動化/高速化を促進するリーディング学習手法として、『音読』が最も有効だということが明らかにされており、CLAメソッドのリーディングセクションにおける、中核を担う手法として位置づけられています。その詳しい理由や、仕組みの解説は、有料版の第6章 を参照してください。
ということで、ひたすら音読 します。
教材としては、精読して8割程度理解できるテキストであれば何でもいいのですが、ここでは、上記で紹介し、すでに単語暗記段階で精読を行い、全て内容を把握している「速読英単語」をテキストとして採用し、CDとともに音読することで、「文字と音のつながりを強化」します。
このつながりが強化されれば、意味処理能力も向上し、結果として精読力がつきます。さらには、
日本語的な後ろからの訳読方式を卒業し、前から英語を英語のまま理解できるようになります。
※ここの理由と仕組みについては、コチラ「そもそも英語が読めるとはどういうことか?」 を参照して下さい。
※英語を前から英語のまま理解できるようになるには、1冊の音読だけでは足りないので、上級編の音読や、受験校の過去問の音読も行い、とにかく「量」をこなしてください。
【おすすめの教材】
1冊目(必修編):
教材のゴール(卒業条件) = 「CDのモデル音声と同じスピードで音読ができるようになり、かつ、音読しながら意味を自動的に理解できていること。」
教材を通して獲得する能力 = 「文字と音(内語)のつながりの強化」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短2週間〜1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、3ヶ月。」
2冊目(上級編):
教材のゴール(卒業条件) = 「CDのモデル音声と同じスピードで音読ができるようになり、かつ、音読しながら意味を自動的に理解できていること。」
教材を通して獲得する能力 = 「文字と音(内語)のつながりの強化」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短2週間〜1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、3ヶ月。」
★「多読によるスピードアップ」について
音読によって、英文を前から英語のまま読めるようになったら、志望大学の過去問を教材として使い、
「多読によるスピードアップ」に特化 していきます。それと同時に、
過去問の設問研究(傾向分析と対策) を行い、得点力も上げていきます。
その《設問研究》のやり方 としては、まずはじめに多読スピードを意識しながら、本番の試験時間を想定して過去問を解きます。そして、答え合わせする際に、
設問研究として”問題の傾向分析”を行い、”解答のコツ”を収集していきます。 その後は、分からない単語を全て調べて、一度精読し内容を理解します。
その理解し終えた英文を、何度も多読して、多読のスピードをさらに向上させていきます。
それを、5年分ほど行えば、多読のスピードも十分に速くなっているはずですし、同時に志望大学の設問のクセや解答のコツも習得できているはずです。また、過去問から収集した、初見では分からなかった単語をまとめて、
志望大学に特化した単語集 を作っておくことで、さらに多読スピードを加速させます。
【おすすめの教材】
※志望大学の赤本(過去問)です。また、駿台が出している青本もあります。
※ライティングの受験がある場合は、コチラ「TOEFLのライティングの学習手順」 を参照し、TOEFLの教材の替わりに、受験校の過去問を利用して学習を進めてください。