引用:
段階 3. 多読段階
・
雪だるま方式の多読法 =「偏ったテーマの文章を大量に読みこなすことで、雪だるまのコアとなるような多読の基礎(主に語彙量/スキーマ情報量/大意を掴む能力の向上)を醸成し、その多読の基礎をベースに様々な文章を多読していく手法」
・
雪だるま方式の語彙習得法 =「偏ったテーマの単語集で集中的に語彙数を増やすことでコアとなる語彙群を獲得し、その語彙群をベースに、関連付けを行いながら他のテーマの語彙も覚えていく手法」
※やみくもに多読を行うのではなく、経済なら経済に特化したテーマの英文を大量に読みこなすことで、核(経済分野での独特な言い回しや語彙の習得)ができれば、雪だるま式に語彙も言い回しも増えていき、多読スピードもさらに向上していきます。
(引用おわり)
この
【雪だるま方式】を採用して、テーマを「学術論文」に置き、以下の例のように、各自の専門分野に絞って洋書を選び、どんどん読み進めていきます。
《例:Communication Studiesが専門分野の場合》
※洋書を”スラスラ”と読みこなせるようになると、その洋書の中から、自分の好きなライティング用チャンクが収集できるようになり、「リーディングからの転移」(※段階3を参照)という副産物の恩恵も享受できるようになります。具体的には、多読している際に、気に入ったライティング用チャンク表現を見つけたら、その都度ノートに書き溜めておくことで、表現(チャンク)の幅も雪だるま式に広がっていきます。
1冊あたり:
教材のゴール(卒業条件) = 「専門分野に特化した語彙/言い回し/スキーマ(背景知識)を収集しながら、スピードを意識して1冊を通読し終えること。」
教材を通して獲得する能力 = 「多読力の向上。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短1週間〜2週間。毎日30分学習の中長期継続型であれば、1ヶ月半。」
★「専門分野におけるコア単語の習得」について
上記の引用文で説明したように、2、3冊ほど専門分野の多読をこなし、”核”(コア)が出来始めたら、それをさらに強化するために、以下のような単語集を活用し、その専門分野に特化した単語を暗記していきましょう。
《例:Media Studiesが専門分野の場合》
※この本は、「Media Studies」の分野に特化した専門用語の単語集です。あなたの専門分野に特化した単語集を見つけて、集中的に暗記し、”核”(コア)をさらに強化してください。
教材のゴール(卒業条件) = 「必要な専門用語を理解し、暗記できていること。」
教材を通して獲得する能力 = 「専門分野におけるコア単語の習得。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短2週間〜1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、3ヶ月。」
※ライティングの基礎が固まっていない方や、そもそも英語で文章を書いたことがない方は、まず「海外旅行」のWritingセクションを参照し、基礎を固めて下さい。
★「学術様式の英借文の習熟」について
「学術様式の英借文の習熟」を達成するために、ここで採用する学習手法は、
「チャンク英作文」という手法です。
「チャンク英作文」について、
ライティングセクションから引用文を用いて、以下で説明します。
引用:
<中略>・・・ですので、投資できる時間(コストパフォーマンス)とモチベーションという点でも、CLAメソッドが提唱する
<<チャンク英作文>>が、文法中心の英語教育を受けてきた純ジャパ英語学習者にとっては有効です。
※スピーキングの「チャンク会話法」がベースとなっています。
簡単に言えば、この手法は、ライティング向きのチャンク表現を借りてきて、必要な部分だけを変える
英”借”文という手法のことです。例えば、When it comes to ~ =「~に関して」というライティング向きで、やや堅めのチャンク表現を丸暗記した後は、~の部分を変えていくだけで、色々な表現が可能になります。
そして、そのチャンク表現をより柔軟に即座に使えるように何度も書く練習を重ね、すぐ柔軟に使えるチャンクの数も増やしていくことで、自由に英語を書くことができるようになります。抵抗なく自分の考えを英文として表現できるレベルにまで、使えるチャンクを獲得したら、オンライン添削などで、ネイティブの方に直接修正してもらいます。添削してもらうことで、より表現の正確さに磨きをかけ、最終的には、正確かつ、自在にライティングを操れるレベルを目指します。
(引用おわり)
この
「チャンク英作文」を使って、論文特有の英語の言い回し/表現を習得します。(以下の、
1点目に相当。)
英語で学術論文を書くにあたり、次の3点が重要です。
1点目: 論文特有の英語の言い回し/表現を習得すること(「チャンク英作文」の実践)
2点目: 英語ならではの学術論文のフレームワーク(決まった書き方)を習得すること
3点目: 自分の専門分野における、表現/専門用語の単語を習得すること
この3点を習熟するための教材と流れを、以下で提案します。
【1点目対応教材】
※TOEFLーCBT時代のチャンク集となっていますが、英語という言語自体は変りませんし、非常に使いやすい形でライティング用チャンクが収録されている良書です。ここで得られるチャンクを使用して、「チャンク英作文」を実践して、学術分野におけるライティング能力を涵養して下さい。また、他のライティング用チャンク集をすでにお持ちの場合は、そちらで「チャンク英作文」を実践して下さい。
教材のゴール(卒業条件) = 「論文特有の言い回し/チャンク表現を1冊分暗記し、そのチャンクを使って(借りて)300単語程度のショートエッセイを、チャンク英作文(英借文)で書いてみること。」
※サンプルのショートエッセイはコチラへ。
教材を通して獲得する能力 = 「学術様式の英借文の習熟。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短2週間〜1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、3ヶ月。」
【2点目対応教材】
※1点目の「論文特有の英語の言い回し/表現を習得」したら、2点目の「英語ならではの学術論文のフレームワーク(決まった書き方)」を、この教材を使用して習得します。一度慣れてしまえば、あとは、テンプレートとして使い回しが効くので、集中的にマスターしてしまいましょう!
教材のゴール(卒業条件) = 「1〜8章を通読して学術論文のフレームワークを理解した後に、その理解に基づいて、上記の1冊目の学習時に書き上げたショートエッセイを、実際に修正してみること。」
※具体的には、次の3点を実践する。
1。ライティング用の語彙への修正
2。パラグラフ構成の修正
3。引用・参考文献も試験的に付けて実践してみる
教材を通して獲得する能力 = 「英語ならではの学術論文のフレームワーク(決まった書き方)の習得。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短1週間〜2週間。毎日30分学習の中長期継続型であれば、1ヶ月半。」
【3点目対応教材】
※上記のReadingセクションで紹介した「Media Studiesの単語集(洋書)」とともに、こちらの「科学技術に特化したライティング用の専門的な表現集(和書)」なども合わせて学習(暗記)し、実際にこれらの単語/表現を、「チャンク英作文」を通して何度も使っていくことで、3点目の「自分の専門分野における、表現/専門用語の単語を習得」します。あなたの専門分野の単語集/表現集を見つけて、3点目を実行して下さい。
教材のゴール(卒業条件) = 「英借文で使うことを念頭に置いて、1冊を通して必要な専門用語を暗記しきること。」
教材を通して獲得する能力 = 「自分の専門分野における、表現/専門用語の単語を習得すること。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短2週間〜1ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、3ヶ月。」
「添削」について
ライティング用チャンク(1点目)/学術論文のフレームワーク(2点目)/研究分野に特化した専門用語(3点目)を用いながら、学術論文が書き上がったら、
アウトプットした自分の英語が正しいかどうかを、オンライン添削サービスなどを活用し、ネイティブの方に実際に添削してもらいます。
フィードバックをもらったら、「習熟したチャンク/フレームワーク/専門用語の使い方」にさらに修正を加えることで、より正確な表現、より学術論文として相応しい表現が身についていきます。
※また、添削サービスによって、一人よがりな論文/英語表現になってしまうリスクを効果的に回避することができます。
【おすすめの添削サービス】
※添削サービスだけでなく、日英/英日の翻訳サービスもあります。
教材のゴール(卒業条件) = 「上記の3冊を通して獲得した、(1)ライティング用の語彙・チャンク/(2)フレームワーク/(3)専門用語を駆使してチャンク英作文(英借文)を実践し、添削によるフィードバックを元に修正を繰り返し、ほぼ添削による修正点が出なくなること。」
教材を通して獲得する能力 = 「ほぼネイティブレベルのライティング能力。」
学習期間のおおよその目安 = 「毎日3時間学習の短期集中型であれば、最短1ヶ月〜2ヶ月。毎日30分学習の中長期継続型であれば、半年。」